- 2007年01月17日
- 投稿者:コラム管理者
大工と道具−常務取締役 竹村満
住宅建築において一番の要の職種、大工。
出来上がりの良し悪しは、大工の腕(技術)にかかっていると思います。しかし腕だけでは良い大工にはなれません。良い仕事を行なうには、手入れのされた道具が必要です。
皆さんが大工の道具として思い浮かぶのは、まず、鋸(のこぎり)、鉋(かんな)、鑿(のみ)、そして金槌(かなづち)などではないでしょうか。
知られざる道具
現在は、大工の仕事も、機械化とプレカット(工場で材木を加工)技術が進み、昔から使用していた道具は一つ 々 影を潜めてゆき使用される機会が少なくなってきていますが、その中より何種類かの道具を紹介いたします。鋸
先ず最初は、鋸ですが、よく知られているのが両刃鋸です。長さにいろいろ違いがあるのをご存知でしたか? 長さにより、鋸目の粗さが変わり、切る材料・使い方が異なります。他には、胴付鋸も、長さの違いがあり、精密な切り込みに使用します。
ちょっと変わった形をしているものでは、畦挽(あぜひき)というものがあります。鋸身の先端がV字などになっており、歯渡りが短く、首が長く、歯並びが弧状になって敷居や鴨居の溝を作るのに用いられていました。
鋸はなぜ切れるのかというと、鋸目を、左右に振り分けることで、板圧よりも鋸目の方が広くなり、切れた屑が次から次へと出てくるので、切れ進むということです。
そのアサリはものすごく大事なもので、左右の振り分けが違えば大きい方に、長さが違えば、長い方にゆがんで切れていきますので、真っすぐに切る為には、目立てといい、ヤスリで鋸目を切り込み、長さの調節をしなくてはならなかったのです。
鉋
次に鉋では、珍しいものでは、面取り鉋、决り鉋(しゃくり)、五徳、などでしょう。特に决り鉋は、機械が普及していない時代に、溝を掘るために、鉋刃が3枚も取り付けされたものもあります。
2枚は、溝の両端を切り込んだあと1枚でその中を削っていく、溝が深くなっていくにしたがって、2枚の刃は、両サイドを仕上げていく、という鉋で溝と溝の幅を一定にする為に、ガイドを取り付けたものも有ります。(溝鉋ともいいます)
最近は集成材や、薄く削った板を貼り付けた化粧材が、主に使用されており、伸び縮みやひねりが少なく、工場生産により製品化された建材が多くなり鉋などの利用も非常に少なくなってきています。
その他、長さが60センチほどもある鉋は、まっすぐ平らに仕上げる為のもので、鉋台の調整がかなり高度で熟練された技術が必要です。その鉋台の調整の為に使用する鉋があり、台に垂直に刃が、ついており削るというより、こそげていくという感じで、台のひねり・そり等を直す為、すこしつづ、削っていくものもあります。
大昔より、知恵を絞り試行錯誤を重ねて改良されてきたいろいろな道具は、太古よりの知恵が無ければ今のような、便利な道具には発達しなかったでしょう。

